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良き隣人(ただし野獣もおります)

前稿「知らない人に……」の末尾で「続きは別稿で」と書いたまま、他のことにかまけて放置しておいたら、催促のように(笑)、キー坊さんからコメントをいただいてしまった。

でもね、この事件を起こしたのは、外国から来た一般人ではないということです。戦後ずっと沖縄に居座り、沖縄人を殺し、強姦してきた米軍の兵隊が起こした凶
悪事件だということですね。

この被害者少女のしつけが悪いということは、沖縄人自身の内部問題であって、米兵糾弾の問題とは別の次元のことです。


私が書きたかったことは、キー坊さんのこのコメントですべて言い尽くされている。

おしまい。

……ではあまりに芸がない。

ついでにといっちゃ何だが、もう一つ紹介しておこう。「モジモジ君の日記。みたいな。」というブログの「米兵の事件だから大きく報道するに決まってるだろ、このバカ」という記事(→URLで、mojimojiさんが次のように書いておられる。

被害少女の「落ち度」なるものを語る言説は、留保抜きに、一つ残らずアホ。(中略)善悪の話と、処世術における巧拙の話を、ごっちゃにするな。バカどもが。


善悪の話と、処世術における巧拙の話を、ごっちゃにするな。

かっこよすぎます。啖呵というのはこうやって切るものだな。

もちろん前稿での私の立場は、言ってみれば「一見、処世術のように見えても、その教えの根底には倫理がある」とでもまとめられるのだけど、それは一般論を突き詰めたうえでの話である。現実問題としては、「善悪の話と、処世術における巧拙の話を、ごっちゃにするな。」でいいのだ。キー坊さんのコメントの最後の部分とも共通している。

で、この事件。

最初に書いておこうっと。この米兵は無罪です。有罪が確定するまではね。原則、推定無罪。いちおう断っておかないと。花岡信昭@産経新聞が最初に被害者に同情的なことを書いているのと同じ、お約束です。

で、再び、この事件。

キー坊さんが書いているとおり、この事件が「外国から来た一般人」によるものだったら、こんな騒ぎにはならんのです。「世の中には悪い人もいるよ、だから知らない人について行っちゃダメだよ」が成立する。

でも、この場合は違う。米兵にはね、本当はほいほいついていっていいんですよ。悪い人なんていないんだから。だって彼らは「良き隣人」なんだから。これは私が言っているわけじゃない、米軍の然るべき偉い人が、そのように宣言しているんです。「良き隣人ですが、なかには野獣もいるので近づかないように」とは一言も言っていない。

容疑者の米兵が、なぜそこにいるのか。遊びに来たんじゃない。国と国との約束の結果として、そこにいるんです。言ってみりゃ、被害者の少女は、日本とアメリカに襲われたんだ。

産経新聞の花岡は次のように書いている(→記事URL)。

事件は事件、安保は安保、と冷静に切り離し、日米同盟の死活的な重要さに思いをはせてこそジャーナリズムだ。


ならば問いたい。「安保ゆえに沖縄に駐留している米兵が」「まさにその沖縄で」起こした事件を、なぜ安保と切り離せるのか? むしろ、「日米同盟の死活的な重要さ」こそ、この事件には何の関係もないではないか。

花岡ははっきりこう言うべきなのだ。「被害者の少女は死活的に重要な日米同盟のために身を捧げたのだ」と。なるほど、これなら彼の論には整合性が出てくる。

花岡の記事の末尾。

米軍基地が集結する沖縄である。夜の繁華街で米兵から声をかけられ、バイクに乗ってしまう無防備さ。この基本的な「しつけ」が徹底していなかったことは無念、という以外にない。


こういうことを言っても不思議のない人たちというのは、私には容易に思い浮かぶ。米軍基地を厭い、基地被害に涙し、基地撤廃のために運動し続け、それでもなお居座る米軍から身を守るために、子供にそのように言って聞かせなければならない人たちだ。しかしそれは決して、花岡のような「腐れ大和」(自虐も込めて、あえてこの言葉を使うのだが)の言うべきことではない。

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2008年02月22日 15:42に投稿されたエントリーのページです。

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