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ウンタマギルー

『ウンタマギルー』という映画のビデオをネットオークションで入手した。

懐かしい、と言い切ってしまうには、ちょっと複雑な気分である。というのも、この映画をどういう状況で観たかは覚えているのだけど、その時点では、作品そのものはほとんどまったく印象に残らなかったからだ。

この映画を観たのは1988年。大学4年の夏から秋にかけての時期だ。

今はどうか知らないけど、当時は就職活動絡みで「内定者拘束」なるものがあった。詳しくは覚えていないが、要するに、就職活動の解禁日が決まっているのだけど(そもそもどういう位置付けで誰が決めていたのかも知らない)、でも実際にはそれ以前から就職/採用活動は始まっていて、というか、事実上終わっている。で、その解禁日以前に内々定を出して確保した学生を、他企業に奪われないように、なんだかんだと特定の場所に集めて囲い込むというのが内定者拘束だ。確か、会社訪問の解禁日とか内定を出していい解禁日とか何段階か協定があって、それに合わせて内定者拘束も何回かあったように記憶している。

私は1社しか内定をもらっていなかったのだけど(2社しか受けなかったし)、その企業の何回目かの内定者拘束が、この映画の鑑賞会だったのである。というのも、私に内定をくれたその企業が『ウンタマギルー』を製作した企業だったからだ(ちなみに確か最初の内定者拘束が東京ディズニーランド。私がディズニーランドに行ったのは後にも先にもこのときだけ。映画とどちらが先か忘れたが、もう一回の拘束は芝居で『薔薇と棺桶』というタイトルだった。こちらも退屈だった記憶しかなくストーリーはまったく覚えていない。それなのにタイトルはすぐ出てくるのが不思議なくらい)。

さて、当時の私は沖縄にまったく関心がなく、したがって、この作品についても全編ウチナーグチ(なんて言葉も知らなかったが)で日本語字幕が入る奇抜な展開の変な映画、という印象でしかなかった。いわんや、照屋林助や嘉手苅林昌といった沖縄の芸能・民謡界の超大物が出ていたなんてのも、私にとってはどうでもいいことだったのである。出演者で名前を良く知っているといえば戸川純くらい。

その後、沖縄に関心を持つようになって、レンタルビデオ屋で借りて1回観たはず。さすがにそのときは照屋林助や嘉手苅林昌には注目したけど、まだ唄三線を始めるか始めないかという頃だったので、何の唄を歌っていたかというところまでは注意しなかった。

今回どうしてもこの映画を再び観たいと思ったのは、先日書いた「○○ができるようになったら……」と関係がある。そこで書いたように「とぅばらーま」という名曲を納得の行くように歌えるようになるというのは、私にとって唄三線をやるうえで一つの目標といってもいい。重要な曲だし、それ以前に大好きな曲でもある(ちなみにこの曲は『ナビィの恋』でもメインテーマの一つとして使われている)。

で、何かの拍子に、あるウェブ日記で、こんな文章を読んでしまったのだ。

それにしても私が初めて聞いた「とぅばらーま」は、映画の中で戸川純が唄う「とぅばらーま」だったとは…。
なに~~~? そう、『ウンタマギルー』のことである。この映画以前に特に沖縄の映画や音楽に触れた覚えはないから、私にとっても、初「とぅばらーま」は戸川純の歌だったということになる。これはぜひ入手して確認しなければ。

……確かに戸川純が「とぅばらーま」を歌っていた。変な歌い方だ。彼女の歌はたいていそうだと思うのだけど、うまいともへたとも言いがたい。でも確かに「とぅばらーま」。私は上記のウェブ日記の筆者とは違って、これが私の原点だとは思わないし、この映画を最初に観たときに何かを刷り込まれたとも思わないのだけど、それでも、唄三線を始める10年近くも前にこれを聴いていたのだなぁと思うと不思議な気がする。

そしてエンドクレジットには、翌年の4月以降、私の上司や先輩となった人たち(ではなくて、正確には私がその人たちの部下になったわけだが)の名前が製作担当者としていくつか流れる。そうだ、そもそも私が沖縄に関心を持つようになったのは、この会社に入って、残業しているときに先輩から「山辺くん、これから沖縄行かない?」と誘われたのが直接のキッカケだった。もちろん、最終便で南の島に飛ぶという話ではなく、「沖縄」という名前の沖縄料理屋で飲もうというだけの話だったのだけど。

そうするとやっぱり、大学4年のときの就職先の選択が、今の唄三線という趣味にもつながっているのか……。

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2004年08月03日 21:09に投稿されたエントリーのページです。

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