このところ、今までさほど関心がなかったことでも、「何か機会がないと行かないから、誘われたら乗ってみる」という姿勢で臨もうかと思っている。
その一つが、ゴールデンウィーク前に競馬場に行ったこと。全然関心がないというわけではなかったのだが、実は競馬場に行ったことは一度もなかった。この感想は、機会があればまた改めて(ちなみに馬券は買わなかったけど、かなり楽しかった)。
そして昨日は、知人に誘われて、東京体育館で女子バレーのアテネ五輪最終予選、対プエルト・リコ戦を観てきた。試合開始が18時なので、定時まで仕事をしてダッシュで会場へ。2セット目の途中から観戦できた。
そして感想。……これをスポーツと呼んでいいのだろうか?
そりゃあ、選手は頑張っているのだろうし、フェアプレーなのだろうと思う。
しかし、あの会場の応援……あれはなんだ?
もちろん、国際試合で地元のチームに応援が集中するのは当たり前だ。客が99%日本の応援、日本が点を取ればいちいち大歓声、プエルト・リコが点を取れば嘆息、これは当然だろう。どんなスポーツでも同じだろうし、どこの国に行っても同じだろう。ひねくれた審判が判官贔屓でホームチームに厳しい裁定をすることはあるかもしれないが、ホームチームが断然有利というのは自然な話だ。見識のあるファンなら、相手チームの好プレーにも拍手を送るだろうが、まぁそこまで紳士的な応援は期待するまい。
しかし、それどころではなかった。「満員のファンが日本にだけ大声援を送る」という偏り方ではなかったのだ。応援を煽っているのは会場のアナウンスである。タイムが取られて試合が中断するたびに応援歌が流れる。客が自発的に歌い出すのではない。スピーカーから大音響が流れて、客が同じ振りで歌う。
プロスポーツのリーグ戦なら、それも普通の光景かもしれない。でも、これは五輪出場を賭けた国際試合だ。野球やサッカーなら、まだ空間も広いし、ドームでなければ音も上空に逃げていく。でも、バレーボールは室内競技だ。さほど大きいともいえない空間に、スピーカーの大音響は文字通り響き渡る。
そうそう、バレーの応援といえば昔から「ニッポン・チャ・チャ・チャ」だ。私は全然知らなかったのだが、これも実は客席からの自然発生ではなかった。会場のスピーカーからさりげなく(?)カウントが流れる。それを合図に客席がいっせいに呼応する。それも決まって、プエルト・リコの選手がサーブを打つタイミングだ。
……これでいいのか? 観客がどちらを応援するかは観客の自由だ(もっとも、テニスやゴルフなどは観戦・応援のマナーがかなり厳しいらしい)。でも、会場の施設までホームチームの応援に駆使して、それでスポーツと言えるのか? 会場のスピーカーであそこまでガナリ立ててよいなら、プエルト・リコの正面から眩しい照明を当ててやればいいではないか。
ついでに言えば、皆、熱心に応援していたけれども、「手が痛くなるほど拍手する」わけではない。ほとんどの人は手など叩いていないからだ。叩いているのは、空気の詰った「拍手用」バルーンである。会場で配布しているのかと思ったら売り物だそうで、我々が会場に着いたときには完売していたようだ。会場に捨てずに記念に持ち帰る人も多いだろうが、やがて空気が抜ければただのゴミと化すだろう。これだと手拍子の数倍の音が出る。前述のような演出でいっせいに叩かれれば、まさしく轟音になる。でも、一試合たっぷり応援しても、手が痛くなることはない。痛くなるのは耳くらいだろう。
誘ってくれた知人は、プエルト・リコについて「3-0か3-1で勝ってくれなければ困る程度の相手」と言っていたが、そのとおりの結果になった。応援がなくても、たぶん結果は同じだったかもしれない。でも私は、応援の轟音を聞きながら「この応援のなかでも日本を蹴散らすような強豪チームを見てみたい」と心底から思った。その意味ではプエルト・リコは弱すぎた。
それにしても、こういう体験は、実際にその場に足を運ばないとできない。今後再び会場に足を運ぶことがあるかどうかは分からないけど、貴重な体験だった。
明日は韓国戦。勝てばアテネ五輪出場が決まるという。予定があるので、テレビでもリアルタイムの観戦はできないが、いちおう録画しておこうかな。韓国チームなら応援も少しはあるだろうか。私は……あの会場の雰囲気を知ってしまった以上、日本を応援する気に絶対なれないのは確かだ。
コメント (2)
こんな記事を発見しました。まあ、そういうことなんだそうです。
バレーボールの中継から巨人戦にチャンネルを変えると、実は野球が紳士淑女のスポーツ、クリケットがルーツだってことがよくわかります。いや静かなこと。
今回の五輪世界最終予選には本当の1流国は出場していません。当然ですが。ので、日本を蹴散らす強豪国がご覧になりたいのでしたらぜひまた、ワールドカップを見に代々木に足をお運びになるといいと思います。数年前に私が見に行った試合では日本はブラジルを相手に酷いものでした。それでもうるささは勝っているときとあんまり変わらないんですが…
http://blog.livedoor.jp/sattoken/archives/610402.html
投稿者: forestwildcat | 2004年05月15日 22:13
日時: 2004年05月15日 22:13
コメントありがとうございます。
なるほどね……>「こんな記事を発見」
ちょっと本文で触れたように、このあいだ生まれて初めて競馬場にも
足を運んだのですが、東京体育館よりも府中の方が紳士的な雰囲気に
溢れていたように思ったくらいです(^^;
投稿者: 山辺響 | 2004年05月17日 10:13
日時: 2004年05月17日 10:13