土曜日は、大丸ミュージアムに「田中一村展」を観にいった。栃木出身で、千葉在住の時期を経て、後半生を奄美で過ごした画家だ。展覧会そのものは日曜日で終わってしまったので、奄美にある田中一村記念美術館にリンクを張っておこう。
ところで、私は「展覧会」が苦手だ。家族3人が皆絵画が好きだったせいで、小学校高学年~中学生くらいの頃だったか、美術館や百貨店などで開催されるいろんな絵画展に連れて行かれた。我慢してついていったけど、かなり苦行だった。たいていは週末の日中だから、何しろ人が多くてうんざりする。見なさいと言われて見たって、面白くも何ともない。
そもそも、音楽は得意で好きだったけど絵を描くのは大の苦手だった。それは今でも変わりない。写真は中学の頃から見るのも撮るのも一貫して好きだけど、人の多い写真展はやはり嫌だ。
ま、そんなわけで今は何かの展覧会に足を運ぶということはめったにないのだけど、それでも、子供の頃はいやいやながら連れて行かれたのに、たまには自分から足を運ぶようになったところが成長なのだろうか。
たとえば人の少ない常設展などで、これといった目当てもなしにぶらぶらと時間を過ごすのは悪くない。特定の画家・写真家に絞った企画展でも、「順路」にしたがってひとつひとつ見ていくよりも、とにかく最初から最後まで駆け足でざーっと見て(規模にもよるが所要時間15分~20分くらい。早い!(笑))、その後、印象に残った作品を選んで、その前でボーっとたたずんでいるのが好きだ。自然、順路の最後から逆流しつつ会場内を逍遥することになるので、迷惑な客かもしれない…。
さて、田中一村展に行ったのは、私がよくアクセスしているウェブ掲示板で、以前からとても高く評価されている画家だったから。
私は沖縄の民謡を習っているのだけど、なんとなくだが、沖縄好きの人でも、南西(つまり宮古・八重山)方面に惹かれていく人と北東(つまり奄美)方面に惹かれていく人と、やや傾向が分かれているような気がする。私はもっぱら前者であって、奄美民謡にも黒糖焼酎にも、興味がなくはないけれども、それほど強烈には惹かれていない(元ちとせはかなり好きなんだけど)。
だから、田中一村という画家に対する賛辞を目にしても「ふーん」という感じだった。しかし土曜日は仕事の後でぽかりと時間が空いて、しかも大丸ミュージアムならアクセスも悪くないので、ふと思い立って行ってみた。
会期末の週末ということで人が多いのは例によってうんざりだったけど、内容はとてもよかった。3分の2くらいは奄美移住前の作品で、ああいうのはジャンルとしては何と呼ぶのだろう。日本画? そればかりではないのかな。
そして奄美移住後にがらりと変わった作風(と、私には見えたのだけど、そうではないという見方もあるようだ)。ううう、これだけ変わるなら移住した意味もあるわな。近景には圧倒的な濃密さで奄美の風物(植物・鳥中心かな)が描かれているけど、画家の視線そのものは遠景に置かれているように思える。そして「近景は濃密だけど視線は遠方」というのは、なんかある意味「ミナミノシマ」的なものに共通する構図のような気がするのだけど(先入観かもしれない)、これはまだ直感レベルの話であって文章にするにはまとまっていないので、「そのような気がする」だけで、そのまま放り出しておく。
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同じlivedoor blogのなかで、以下のブログにトラックバックしておいた。
署名で書く記者の「ニュース日記」
玉乱界
コメント (2)
田中一村、ときたらひとこと言わせてください。
絵は描くのも見るのも好きなんだけど、文章を描くのが苦手なオレですが。
>奄美移住前の作品で、ああいうのはジャンルとしては何と呼ぶのだろう。日本画?
水墨画や山水画でしたら南画だと思います。一村の画業を大雑把にわけると「南画時代」と「日本画時代」になって、「日本画時代」の中に「奄美移住前」と「奄美移住後」があると思ってくださいな。
投稿者: 工場長 | 2004年05月10日 23:25
日時: 2004年05月10日 23:25
>田中一村、ときたらひとこと言わせてください。
あ、釣られましたね?(笑)
>「南画時代」と「日本画時代」になって、「日本画時代」の中に「奄美移住前」と「奄美移住後」がある
南画というのはそもそも中国系から来ているみたいですね。
でも奄美前/後を同じジャンルとしてくくりたくない気がする(笑)
投稿者: 山辺響 | 2004年05月11日 10:46
日時: 2004年05月11日 10:46