Amazonから『登川誠仁&知名定男』が届いた。
もちろん期待はしていたのだが、期待にたがわず、これはすごい。冒頭の「スーキカンナ」の誠小の三線・唄からして、ぐぐっと惹きつけるのだけど、そのまま緊張を強いるわけではなく、リラックスして楽しめる。最近は沖縄民謡でも洋楽器を入れたアレンジを試みる例もたくさんあって、そういうのも決して悪くないけど(というか、アコースティック・パーシャなど、素晴らしいものもある)、このアルバムは、歌三線に、せいぜい島太鼓と琉琴、三板が入る程度。つまり正統派の民謡アルバム。でも古めかしいわけではない。このところ続けて出た丸高レコード系の昔の録音も良かったけど、当たり前の話だがそれに比べれば音は素晴らしくいいし、そのおかげで登川誠仁・知名定男、それにゲストの吉田康子の声の艶がしっかりと生きている。
そして楽しい。比較的アップテンポの曲が多いし、オープンのスポーツカーに、オヤジ&オジイが2人で楽しげに座っているジャケットの写真も、とことん粋だ。
同じく唄三線だけの新良幸人『月虹』(こちらも名作!)とは、ずいぶん趣が違う。『月虹』は何というか、求道者的に音を突き詰めている感じがあって、その分聴くほうも緊張を強いられる。だから私は、このアルバムが大好きなのだが、まだ数えるほどしか聴いていない。なんだか、居ずまいを正して、1曲目から通して全部聴かなくてはいけないような気がする。強要されるのではなくて、そうしたくなってしまう。
『登川誠仁&知名定男』は、もっと気楽だ。なんだかふらりと入った居酒屋で、「今度これメニューに入れようかと思って作ってみたんだけど」と出された一品が、えらくダシがきいていて美味いという感じ(←どんなだ)。
達人たちが、「オレたちこんなことばっかりやってきたなぁ」と楽しんで作ったアルバム、と書いておこう。