先週後半の仕事では、イラン・アザデガン油田に関する話題がいくつか出てきた。かなり規模の大きな同油田の開発に向けて、日本がイランと合意を結んだという件。実は去年からこの話は気になっていて、それというのも、イランを「悪の枢軸」と名指しした米国から、イランと提携しないように圧力がかかり、交渉が暗礁に乗り上げていた経緯があるからだ。
米国のアフガニスタン攻撃もイラク攻撃も、その背後には石油利権があるというのはずいぶん前から言われていることだ(イラクはもちろん産油国だし、アフガニスタンは旧ソ連圏中央アジア諸国の油田につながるパイプラインのルートとして重要だと言われていた)。もちろん、ほとんどのエネルギー源を輸入に頼る日本にとっても、中東の石油の確保は死活問題。
で、米国の圧力に従うのとイランと仲良くして石油を分けてもらうのと、どっちを選ぶのかという問題が、このアザデガン油田の開発協力をめぐる交渉だ、と。
結局、米国とはそれほど深刻な問題にはならないだろうという読みで、日本はイランとの合意を選んだ。イランがIAEAの抜き打ち査察を受け入れるという妥協を示したり、日本が自衛隊をイラクに派遣したりしたんで、米国も日本に対してあまり強硬な態度には出られない、というのが欧米各紙の論調だった。
平和とか反戦とかそういう理念はともかくとしても、現実問題、ブッシュ大統領が再選されるかどうかも微妙になりつつあるようだし、いいかげん、米国(というかブッシュ政権)とは距離をおいて様子を見ていたほうが日本としては国益にかなっているのではないか、という気がする。
コメント (2)
米国在中のものです。
アザデガン油田に関して、そんなことがあったのですか。
勉強になりました。ありがとうございます。
米国政府との距離におきかたについては同感です。
ブッシュ政権は、第2次大戦以降米国が続けているもっとも経済効果のある公共事業(戦争)を人目も憚らずに推し進めています。
それを支えているは、情報化社会を迎えて急激に増加している白人の貧困層のようです。
以前、彼らが雇用されていた単純労働は、急激になくなってしまいました。
そして、新たに創出された知的労働は、今中国、インドなどのアジア人がたくさん従事しています。
職や希望を失った貧困な白人の若者たちは、軍隊をよりどころとしているようです。
こうした問題は、未だ議論されていないようですが、大きな問題だと思えてなりません。
ブッシュ政権は、このような時代の狭間の反動政権といっても良いかもしれません。
投稿者: SATORU | 2004年02月23日 20:16
日時: 2004年02月23日 20:16
コメントありがとうございます。
最も経済効果のある公共事業=戦争というのは、なるほどそのとおりですね。昨年3~4月頃、イラク兵はともかく、イラクを侵略して殺される米兵には同情を抱けないと一方で思いつつ、実際に前線で殺されるのはアメリカのなかでも低所得層だという話を聞いて、複雑な気持ちになったのを思い出します。
投稿者: 山辺響 | 2004年02月24日 09:11
日時: 2004年02月24日 09:11